突発的な怒りには「ありがとう」と3回唱える
突然の怒りに対処する方法を、皆さんもそれぞれ持っていると思います
社会人として生活する中で、理不尽な目に遭うことも多いはずです
しかし、怒りをそのまま発露する訳にはいかない
ではどうしたら良いか?
今回は、枡野俊明氏の『怒らない 禅の作法』を読んだので、そこから引用したいと思います
怒りに振り回されない自分になるには、その場で怒りを収める工夫が必要です。
そこで、いったん生まれた怒りを収めるための秘策があります。
実に簡単なことです。不愉快なこと、腹の立つことがあった時、何かを言う前にまず一呼吸置くのです。
浅い呼吸では効果がありません。おなかをゆっくり動かしながら、大きく丹田で深呼吸します。この「間」が重要です。
「それができれば、苦労はない」と思うかもしれません。
しかし、私の尊敬する大本山總持寺の元貫首をされた板橋興宗禅師は、怒りを収めるために実際この方法を使っていました。私が知る限りまったく怒ったことのない禅師にその理由を訊ねると、頭に来ることがあったらおなかで呼吸をしながら、「ありがとさん、ありがとさん、ありがとさん」と三回くり返しているのだと教えてくれたのです。
くり返すうちに、言おうと思った言葉も引っ込んでしまうのだそうです。
「ちょっと待て」「大丈夫」「我慢」……。くり返す言葉は何でもいい。おなかで呼吸をして、頭に怒りを上げないことが大切なのです。
(太字は引用者による強調)
このお話は、他の著作でも何度も述べておられるので、とても思い入れがあるのだろうと思います
時間を置くことで、“間”が開く
「ありがとう」を3回繰り返す
これは私達がそのまま使っても十分効果があります
ですが、ちょっとだけ考えを進めてみましょう
この方法は一体どういう原理が働いているのでしょうか?
私は引用文中でも言われていた“間”が大事なキーワードだと思います
ゆっくり呼吸をする“間”
怒りの言葉を「ありがとう」に置き換える“間”
要は、怒りの瞬間から“時間”を置くのが大事なのでしょう
時間を置くことで、怒りの感情が他の感情や耳目からの情報で流れてしまう効果が期待できるのではないでしょうか?
空間を開ける方法も有効
手前味噌で恐縮ですが、以前の記事⇩で同じように書いたことがあります
時間を空けると同じくらい、物理的な距離を空けるのも効果的です
可能であれば、その場から離れて、落ち着くまで一人でいるのをおすすめします
小さな個室、自室やトイレなど、他の人が入って来られない場所が良いでしょう
心の位置を離す
時間と空間の距離以外にも、心理的な距離を置くことも考えましょう
簡単に言えば、別のことを考えるようにするのです
楽しいこと
面白かったこと
うれしかったこと
何でも良いのです
ただ、「もうこんな風な怒りを抱かないように反省しなくては」と、怒りを抱いた状況や理由について考えるのは止めましょう
それは、冷静になってから考えても遅くないからです
気持ちが落ち着くまでは、正しく現実逃避することがおすすめです
まとめ
怒りから“間”を取る3つの方法
「ありがとう」など心で唱えて、怒りを発露しないようにする(時間を空ける)
怒りを覚えた場所から離れる(空間を空ける)
楽しいことやうれしかったことを考えて敢えて現実逃避する(心理的な距離を空ける)
おしまいに
今回参考にした本の著者である枡野俊明氏は、禅の考え方や作法を一般に分かりやすい形で紹介されているのは有名です
今回、禅に関する本を探す過程で、昔読んだこの本を思い出して、改めて読んでみました
今まで読んだ本がちょっとしたキッカケで心の中から浮き上がってきて
もう一度手に取る機会があるのは楽しい経験でした
以下に今回参考にした本と、もう一冊読みやすそうな本を選んでみました
そちらは繊細な心を持ち、そのために世間で生きることに辛い思いをされている方が一度読んでみると、ちょっとだけ“図太く”考え方が変わって生きやすくなるかもしれません
参考
ここまで読んで頂きありがとうございました!
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