感情の消化不良についてある質問を頂き、自分なりに考えを整理してみたかったので、怒り(不満や羞恥を含めて以下「怒り」として扱います)のコントロール方法(アンガーマネジメント)についてまとめてみようと思います1
基本的には、怒りの感情をコントロールしようとする時、考えられる対策はいくつかあります(他で耳に入れた方法も含まれます)
方法一覧
- 1. 怒りの対象から距離をおく
- 2. 怒りに気づいたら6秒待つ
- 3. 忘れるよう努める
- 4. 別の事を考える(瞑想などを利用するのも可)
- 5. 分析して、どうしてそうなったか納得する
- 6. 良い面を考えるようにする
- 7. 思い切って諦める
- おしまいに
など
自分なりに実行しやすそうな順番に並べてみました
並べてみると、短期的なその場の対策に終始している感じもありますね
長期的な対策については先日アンガーマネジメントとしての瞑想で自分が普段行っていることを書かせて頂いたので、興味のある方はそちらも読んで頂ければ幸いです
1. 怒りの対象から距離をおく
まず、一番簡単なのはその場から離れることです
怒りの対象が目の前にあると、際限なく怒りがふくれ上がってきます
手早くその場から離れる(逃げる)のがオススメです
誰もいないところで深呼吸など行えば、気持ちが落ち着くでしょう
そうしていると、自然に怒りが収まるかも知れません
このとき、怒りが強いとその場から逃げたくないという気持ちが強く現れることがあります
しかし、怒りに任せて状況に対峙しても自分を含めて誰の役にも立ちません
ぐっと堪えて欲しいのですが、難しい場合は次の項を試してみてください
2. 怒りに気づいたら6秒待つ
社会人の立場では、その場から逃げられない場合が往々にしてありますよね
そんな時は、怒りに気づいてすぐに頭の中で数を数えます
1、2、3…6まで数えて
怒りが収まっていない場合はもう一度
1、2、3…6と数えます
これを怒りが収まるまで繰り返して下さい
距離をおく次の方法として、時間をおくわけですね
これは突発的な怒りに特に即効性があり、おすすめです
3. 忘れるよう努める
距離と時間をおけば、怒りを感じたシチュエーションからはかなり遠ざかっています
ですが、まだ怒りを感じた本人の頭の中にはその情景がリフレインしている、繰り返し再生されているかも知れません
そんな時は、それを無理矢理にでも止める必要があります
頭の中で繰り返し再生している動画を停止して、ブラウザバックして動画データから離れるわけです
そうすれば、怒りが繰り返し生まれることを止められるようになるでしょう
これが、簡単に出来る場合も、できない場合もあります
出来ないときは、次の項の方法を試します
4. 別の事を考える(瞑想などを利用するのも可)
人間は、一度に一つのことしか考えられません2
この性質を利用して、別のことを考えるように工夫するわけです
私のおすすめは、慈悲の瞑想で怒りを慈悲に切り替えていく方法です(これも↑のリンク先で先日のブログで説明していますので、良ければ参考までに)
言葉を念じながら思考と感情をリードしていけるので、暗記しておくと便利です
ただ、忙しくて一つのことに集中出来ない場合もあるので、そういう時はその「忙しさ」に集中するようにすると上手くいくかも知れません
もし、それでも頭の中で繰り返すのを止められない場合は、次の項の方法を試します
5. 分析して、どうしてそうなったか納得する
次の方法は、時間がある時に行う方法です
頭の中でリフレインしているのを止められないのなら、その繰り返し再生を見ながら起こった出来事を一場面ずつ分析していく方法です
(これがああなって、こうなって、あの人がこう言って、私はこう感じて、怒りを覚えて…)
そうやって一つずつ吟味していきます
怒りの場面をまとめて見て評価しようとすると、どうしても怒りを感じてしまいます
ですが、分割した一つ一つには怒りを感じる理由がないことが納得する出来るようになるかも知れません
そうなれば占めたもので、怒りを感じる理由は何も無いと、納得することが出来るでしょう
誤解を恐れず言ってしまえば「怒りを感じて当然である」という理屈は成り立たないからです
(むしろ、理屈で怒りは不利益しか生まないと思っているから、アンガーマネジメントで管理しようとする訳ですから)3
6. 良い面を考えるようにする
上記の分析で、怒りの理由がないことを納得できない方も、勿論います
というより、それが難しい方のほうが多いでしょう
そういう場合、怒りで自分と怒りの対象の間で公平さが崩れているのではないかと思います
知らず知らずに、自分を贔屓して見てしまっているわけです
感情的に、自分が正しくて、怒りの対象側が間違っていると思いたくなるのです
なので、このバランスを取り戻す必要があります
そのために敢えて、怒りの対象に対して「良い部分」を探すように努めるわけです
天秤に例えて言えば、自分の側と怒りの対象の側でバランスが崩れて自分の方に傾いている
だから、調整のために怒りの対象の側に重しを足す必要があるのです
この対象とは、大抵の場合人間ですから自分が怒っている相手の良いところを探すわけです
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、と
相手の全てを否定しては話になりません
自分に良い所悪い所があるように、相手にもちゃんと悪い所だけでなく、良い所もあるからです
(この人はここが困りものだが、代わりにここはしっかりしている、自分が困っている時は手伝ってくれた、アドバイスは的確で凄く役に立った…)
などなど、良いところを見つけられれば、そこを突破口に怒りの感情を止められるかも知れませんね
7. 思い切って諦める
さて、ここまでいろんな方法を試してきましたが、それでもどうにもならない場合どうすれば良いか?
そういう状況はあまり思いつきませんが、思い切って諦めてみるのはどうでしょうか
これだけやったんだからと、自分を納得させて怒りを受け入れるわけです
いやいや、ここまで来てそれはないんじゃないか、と思われるでしょう
はい
勿論、一時的な話です
今まで説明してきた方法をまず行って、どうしても駄目なときは一度諦めます
しかし、また最初からやり直しても良いわけです
その場合、一度時間を置く必要があります
怒ったあとは消耗しているので、ひと休みしてからもう一度1〜6までを試しても良いでしょう
それに、もしかしたら休んでいる間に1〜4を自然と実行している場合もあります
「休む」という行動は、「やめる」ということ
怒りから物理的・心理的に距離を起き、怒りについて考えず、別の事を考えている状態です
つまり、これだけで1〜4の方法を実行したことになるのです
ん?
それなら、最初から諦めて受け入れる方法でも良いのではないか、と思われるかも知れませんね
でも、真面目な人ほど、敢えて自分の怒りを受け入れることが出来ないかも知れません
だから、まずは意識して怒りをコントロールしようとすること、その結果としてどうにもならないから受け入れる
という過程が必要と思われます
(あくまで、私の考えですが)
おしまいに
如何だったでしょうか
私自身、怒りに振り回されているので、私なりのアンガーマネジメントを纏めたものが欲しいと思い、今回のブログを作りました
これを読んでくれた方が同じ悩みをお持ちでしたら、こちらと合わせて参考にして頂ければ幸いです
(2023-03-01イメージ写真を追加しました)
関連記事
【雑記】7つのアンガーマネジメント〜自分のための備忘録(メモ)〜
- これは心理学やアンガーマネジメントについての素人が本を読んだりネットで見た情報を、自分で生かすためにまとめた備忘録のようなものです。物足りないという方は、しっかりした専門の書籍などで情報収集されることをお勧め致します↩
- 最近はマルチタスクと呼ばれる二つ以上の作業を並行処理する能力も注目されていますが、これも一つの作業から別の作業に素早く切り替える能力のことだと分かってきているそうです。逆に、一つの作業に集中することをシングルタスクと呼びます。↩
- 怒りが利益を生むと考える場合の理屈として、「怒りでやる気やエネルギーを高めること」を主張する方もいます。この場合、問題なのは怒りは知らず知らずのうちに自分の心身を激しく消耗させること、周囲との軋轢を生み出しやすいことなど負の側面に目を瞑る必要があることです。それをどう評価するかは自己責任になります↩