今更、古典文学をAudibleで聴く理由
単純に、日本の古典文学を全く知らない自分に気づきました
有名な日本の古典で読んだことがあるのは森鴎外の『高瀬舟』や夏目漱石の『こころ』ぐらい
流石に、読書を趣味にする者としては恥ずかしい
そんな勝手な劣等感の現れでした
そこで、初めにあまり馴染みのない太宰治の『 人間失格』から始めることにしました
『 人間失格』をAudibleで聴くことで、古典文学への入口にしようと考えたのでした
『人間失格』はまだ読み始めたばかりですが、これからの私の糧になってくれることを期待しています
古典文学を読む3つの方法
はじめに、古典文学を読む方法を色々模索しました
ひと言で本を読むと言っても、今は色んな方法があります
1.紙の本を買う・電子書籍で読む
特に、Amazonや楽天、hontoなどを利用して紙の本でも電子書籍でも古典文学に触れることができます
2.青空文庫で読む
青空文庫 とは、主に著作権が消滅した小説や随筆、詩などを公開している無料の電子書籍のサービスです
こちらで大抵の古典文学を読むことが出来るので、私も大変重宝させてもらっています
特に、ヴィクトル・ユゴーの『 レ・ミゼラブル』は、こちらで全編読むことが出来るので有り難いです
3.オーディオブック(Audible
など)で聴く
結局、私が選んだのはこちらの方法
オーディオブック(Audible)なら自分で読みづらい文章でも、ナレーターがきれいに読み上げてくれます
疲れている時も耳から勝手に聞こえてくるので、お話の大筋は分かるわけです
SofTalkなどの文章を読み上げてくれる読み上げソフトでも良いのですが、慣れが必要なので有料でもオーディオブックでの読み上げの方がおすすめです
古典がもたらす3つの効用
人間、何かをやろうとするときは意味がないと続かないものです
私なりに、古典文学をこれから読む意味を考えて見たいと思います
1.ビジネスに活用できる教養が深まる
教養、と聞くとそんなものなくても生きていけるし、仕事にも困らないと考える方は多いと思います
それは間違っていないのですが、教養とはただの知識に留まらず、人間の生き方のモデルケースを多く提供する素材でもあります
例えば、『論語』は孔子の言行を弟子がまとめた物ですが、そこにあるのはただの知識ではありません
孔子が目標にするべきと考えていた
これは典型的な目標にできる人物像のモデルケースになるでしょう
私達は、論語のような書物を読み込むことで、人間力を磨く手がかりを手に入れることができるわけです
人間力が高まると、勿論その人の魅力も高まります
ビジネスの場で、もし同じ程度の能力と条件で比べることになったら、最後に物を言うのは人間力の高さに他なりません
教養の効用はまさにこれではないでしょうか
2.実生活で役立つ知恵が身につく
実生活の中で、私達が一番悩むのは人間関係についてではないでしょうか?
人間関係についてならば、古典文学を紐解くと様々なヒントが手に入ります
例えば、
その一七に、
(書き下し文)
世に処するに一歩を譲るを高しとなす、歩を退くるは即ち歩を進むるの張本なり。人を待つに一分を寛くするはこれ福なり。人を利するは実に己を利するの根基なり。
(訳文)
世渡りをするには、先を争うとき人に一歩を譲る心がけを持つことが尊い。この自分から一歩を退くことが、とりもなおさず後に一歩を進める伏線になる。人を遇するには、厳しすぎないように、一分は寛大にする心がけを持つことがよい。この人のためにすることが、実は自分のためになる土台となる。
とあります
これなど、ただ譲り合いの尊さを言っているのではなく、結果的にそれが自分のためになる賢い振る舞いであることを教えてくれています
まさに実生活を生きる上での知恵でしょう
3.歴史の息づかいを伴った生の知識が身につく
古典文学とは、ある時代に書かれた代表的な書物であり、その時代の色合いを濃く映す資料でもあります
私達は普通、昔の出来事を歴史の授業や歴史について書かれた本を読んで、体系的に学ぶものですが、もし過去の出来事の「息づかい」を感じながら手に入るとすればどうでしょうか?
例えば、鴨長明の『方丈記』は当時の都の大火や竜巻、飢饉、大地震の様子を克明に描いている歴史資料としても知られています
それは当時を生きた生の人物の声でもあるのです
おしまいに
古典って古臭い代物なのですが、その古臭い物が地層となって積み上がり、今の世界を形作って来たのだとすれば、この世の中で私達が感じている疑問に対する答えも、きっとココに埋まっているのだと思います
私が古典に限らず本を読みたいと思うのは、こういう疑問を解消したい、知りたいという欲求からのことなのだろうと思うのです
もし、皆さんも古典文学に興味を持って頂けたら、その世界はいつも私達の目の前に開かれていることを、知っていただければと思います