夢野久作の『ドグラ・マグラ』をAudibleで聴いてみた
引き続き、人間力を高める野望のために、Audibleで古典文学を聴いてみました
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大雑把な感想
名前だけ知っていて読んだことがない作品の代表格
Audibleで聴く前は、一体どんなおどろおどろしい話なのかと身構えていましたが、そんなことはなく
昭和初期に考えられていた心理学と殺人事件をテーマにした記憶喪失モノというミステリであり、すっと引き込まれてしまいました
最初から記憶喪失の主人公が登場し、その記憶を取り戻すことで彼が関わっている殺人事件の真相に迫る
という分かりやすいあらすじです
余談ですが、ドグラ・マグラという言葉に地元の方言であるという設定が出てきたので、笑いそうなほど愉快にもなっていました
これは夢野久作が福岡の作家で、小説の舞台も福岡が中心だからでしょうか
また、本作の中には、「脳は考える場所である」などの半ば常識になっている考えを否定する博士が現れます
彼の考える説を長々と説明する章が続くのにはちょっとげんなりしてしまいました
とてつもなく長い!
このあたりの説を博士が書いた論文や新聞記事、お経( !?)、遺書にまで及び展開しているためです
この部分だけでAudibleでも2時間以上かけて読み上げています
そういった思想が大きなウエイトを占めた作品でもあるようです
こういった心理学や脳科学に興味がある方には一読の価値はあるんじゃないかと思います
おしまいに
昭和初期の小説ということで、現在では差別用語にあたる単語が無数に出てきます
そのあたりが気にならない方には、現代でも十分刺激的な作品だと思われます
まだ未読の方は、是非ご一読下さい