最悪の事態を考えることが、不安に抗うための入り口
今回、1948年初版発行、D・カーネギー著『道は開ける』を、2014年に田内志文氏が訳した版で読んでみました
(こちらは電子書籍kindleで600円程度でお手軽に読めます。悩みや不安を抱えた方に広く適応できる対処法や実際にあった体験談、実例が多く載っています。まだ読んだことがない方は、この機会に是非ご一読ください)
この本は古典的な自己啓発の本で、『人を動かす』と合わせて有名です
70年以上前の本ですが、今でも読み継がれる名作でもあります
特に、『道は開ける』は不安(悩み)への対処法について多くのページを割いています
例えば、以下のようなメソッドを紹介しています
もし不安を抱えているなら、ウィリス・H・キャリアの魔法の公式にしたがい、次の三つをしてみること。
一 「最悪の場合、どんなことが起こりえるか?」と自分に問いかける。
二 必要ならば、それを受け入れる覚悟をする。
三 落ち着いて、最悪の事態を改善してゆく。
『新訳 道は開ける』(著:D・カーネギー 訳:田内志文) 第2章より
これを読むと、不安とは、想像しうる最悪の事態に対する恐怖であると分かります
逆に言えば、想像しうる最悪の事態に対処できれば、今感じている不安は緩和されるか、消えてしまうということです
ここで紹介されている魔法の公式とは、そういう不安の性質を利用した対処法なのです
最悪の不安を想定しておけば、現実の不安が緩和される
この方法の優れた点は、知識も才能もいらないということです
自分が現に感じている不安を材料に、その対処法を考えるだけなのです
それに、新たな知識のために気の進まない勉強をする必要もないのです
もし、対処法が思いつかない場合も、どうしようもないことを心から納得できるので、不安自体は緩和されます
どうしようもないことを受け入れることができるので、その後にどうすればいいかを落ち着いて考えることができます
必要なのは、自分の不安と向き合う覚悟と、不安を分析する時間だけです
おしまいに
ずっと前に、ブックオフで手に入れた古い翻訳の『道は開ける』を読んだことがありました
当時はいまいち心に響くものがなく、そのままにしていたのです
最近になって、新訳が2014年に出ていたことを知り、再度読み直したところ素直に心に響いてくれました
これなら自信をもっておすすめできる! そう思い、記事を書きました
もし、今現在不安に苛まれている方、悩みを抱えている方がいらっしゃるのなら、
是非、この『道は開ける』を一読されて、自分の悩みに向き合うための武器にしてください
最後に、D・カーネギーの言葉を本書から引用したいと思います
率直に言おう。もしかしたら私には、あなたが抱えるビジネス上の悩みを半減させることなどできないかもしれない。突き詰めて言えば、そんなことができるのはあなた自身しかいないからだ。だが私には、先人たちがいったいどうやってそれを成し遂げたのかを伝え、残りをあなたの手に委ねることができる。
本書 第5章 仕事の悩みを半減させる より
私も、D・カーネギーが成し遂げたことをあなたに伝えて、残りをあなたの手に委ねたいと思います
自分自身の不安や悩みを解決できるのは、あなた自身しかいないのですから