認知症予防に有効なのは「深いノンレム睡眠」
今回は、認知症予防に有効な睡眠についてのお話
睡眠の質が悪いと、認知症になりやすいとはよく言われますが、具体的にはどういう睡眠を取れば良いのでしょうか?
ひと言で言えば「深いノンレム睡眠」が認知症予防に有効であると言われています
深いノンレム睡眠が認知症の原因物質である脳のゴミ を片付ける
この深いノンレム睡眠に入ることで、脳に溜まった認知症の原因物質であるアミロイドβを処理することができます
逆に言えば、上手に深いノンレム睡眠に入れないと、徐々にアミロイドβが脳内に蓄積していくことになるのです
「深いノンレム睡眠」とは?
深いノンレム睡眠は、ノンレム睡眠の4つの段階のうち最も深い段階です
脳波は非常に遅く、肉体的には完全に休息しています
成長ホルモンの分泌が活発になり、組織の修復や免疫機能が向上するようになります
深いノンレム睡眠は、睡眠の最初の30分間に最もよく出現し、睡眠の後半には徐々に減少していきます
アミロイドβとは?
アミロイドβは、脳内で作られるタンパク質の一種です
健康な人でも脳に存在しますが、アルツハイマー型認知症の患者の脳では、アミロイドβが異常に蓄積することが知られています
このアミロイドβの蓄積が、アルツハイマー型認知症の発症につながると考えられています
アミロイドβは、脳内のゴミとして排出されるものですが、何らかの原因で排出されずに脳内に蓄積すると、神経細胞を傷つけ、認知機能の低下や記憶障害を引き起こすと考えられています
深いノンレム睡眠を促す3つのポイント
深いノンレム睡眠を促すためには、主に3つのポイントがあります
以下で見ていきましょう
1. 規則正しい睡眠習慣を心がける
理想は
早寝・早起き
入眠時間と起床時間を一定に保つこと
ですが、
生活習慣や仕事の関係でそれが難しい方もいるでしょう
そういう方は、睡眠をいつもより長めに取るように調整するのがおすすめです
ただし、注意点があります
1日の総睡眠時間が10時間以上の人は、6時間程度の人に比べて認知症になるリスクが2.2倍になるという話もあることです⇩
睡眠時間が長すぎると認知症になりやすい?認知症にならない睡眠とは|精神科医が解説(ヨガジャーナルオンライン) - Yahoo!ニュース
寝溜めをしようとせず、睡眠時間を長くする場合も、適度に行いましょう
また、心身をリラックスする習慣(読書やストレッチ、ヨガ、瞑想など)を利用したり、
日光を浴びることで体内時計を調整することも試してみて下さい
2. 睡眠環境を整える
特に、暗く、静かで、涼しいことが重要です
つまり、眠りを妨げる光や音、寝苦しい暑さを避けて適温を保つことが大事です
また、スマートフォンの液晶画面が発するブルーライトは眠りを妨げる効果があるそうです
できるだけ、寝る前にスマートフォンでメールのチェックなどは行わず、翌日に行うようにするのがおすすめです
3. 寝る前にカフェインやアルコールを摂取することは避ける
カフェインとアルコールはどちらも睡眠に悪影響を与える可能性があります
カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒を促進します
アルコールは最初は眠気を誘うかもしれませんが、夜中に目覚めやすくなり、睡眠の質を低下させる可能性があります
カフェインはコーヒー、紅茶、お茶、チョコレート、エナジードリンクなど、さまざまな食品や飲料に含まれています
アルコールはビール、ワイン、ウォッカ、ウイスキーなど、さまざまなアルコール飲料に含まれています。
カフェインとアルコールはどちらも、就寝時間の少なくとも4時間前には避けることが重要です
これにより、カフェインやアルコールが体から排出され、睡眠の質を向上させることができます
おしまいに
最近、アミロイドβを排出する認知症予防の薬レカネマブが発表され話題になったことが記憶に新しいです
レカネマブは、アルツハイマー病の治療薬として大きな期待が寄せられています
しかし、レカネマブには、脳出血や脳浮腫などの副作用が報告されています
まだ、私達が本当の意味で認知症の治療法を確立できていないのです
私達が老後を含めた幸せな人生を送っていくためにも、生活習慣を見直して認知症予防に取り組んでいくことは重要なテーマであると言えるでしょう