介護福祉士『ルドルフ』のつれづれブログ

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【介護】認知症の人とコミュニケーションする4つのポイント

認知症の方とのコミュニケーション

皆さんの身近に認知症の方はいらっしゃるでしょうか?

認知症の対応には家族の皆さんの協力に加え、

暮らしている地域の方々の協力

ひいては社会全体で支えていく体制が必要になってきています

もしかしたら、既に協力して下さっている方もいらっしゃるかも知れません

しかし、

☑ 認知症の人とどう接したら良いか分からない

☑ 認知症の人が何を考えているか分からない

☑ 認知症の人が何となく怖い



こんな風に考えている方も多いでしょう

そこで不肖、介護職10年の私から 認知症の方とどうコミュニケーションを取れば良いか ポイントを4つに絞ってお伝えできればと思います

できるだけ簡単にお伝えできるように頑張ってみます

どうぞ宜しくお願いします

ポイント1.大前提は『受け入れること』

これは、次からの3つのポイントの前提となるものです

心構えのようなものですが、

それは認知症の方がやること・言うことを、受け入れることです

すべて許せとか、気にするなというわけではありません

例え話を使ってみましょう

例えば、認知症の方は繰り返し同じ話をすることが多いのですが、

何度も同じ話を聞いていれば、聞いている人はうんざりすることでしょう

ですが、そのことをストレートに認知症の方に伝えても、大して意味はありません

ましてや、こちらが怒っても良いことは一つもないでしょう

相手は自分が言ったことどころか、こちらが言ったことも忘れてしまうのです

そんなとき、私たちが取るべき方法は何か?

まずは、受け入れることです

認知症の方が言っていることは、言っていることとして受け入れる

その上で私たちがどうするべきかを考えましょう

ちなみに、根本的に解決できるような方法はない、と断言しておきます

根本的な解決とは、つまり認知症を治してしまうことですが、現在の医療ではその方法はありません

その場でどう対応するのが適切か? 

そこに焦点を絞っていきます

その判断のポイントとなる3つを、次から挙げていきます

ポイント2.共感ポイントを探しながら話す

皆さんは、誰かと会話をするとき、どのようにしているでしょうか?

世間話でも、ビジネスの話でも、まずは相手の話を聞くこと、聞いた内容に合った返事をしているはずです

例えば、

「今日はいい天気だね」なら「そうだね、いい天気だね」と返すかもしれませんし

「今日は13時から会議だから、資料の準備しておいて」だったら、「分かりました、準備しておきます」かもしれない

間違っても「いい天気だね」に「それはさっき聞いたよ、いい加減にして!」とは言いませんよね

いきなり何の前置きもなしに否定されると、相手は傷つくことを私たちは皆知っているはずです

「私、これ好きなんだ~」に「あ、それめっちゃ分かる!」と応じる精神が必要です

つまり、相手に共感しようとする気持ちを持つことが大事なのです

共感してくれる相手には、私達は心を開きやすいですよね

認知症の方も同じなのです

むしろ、認知症の方は、記憶や時間、空間への認識が障害されているため、健常な方よりずっと不安を抱えやすいのです

今が、昼か夜かも分からず、ここが何処かも分からない状態と言えば、分かりやすいでしょうか

想像しただけでゾッとしますね

そこで、訳も分からず否定の言葉を受ければ、パニックになったり逆上したりしても仕方がないと思いませんか?

だから、認知症のことを知っている人には、受け入れること、共感することをしてもらいたい、と望みます

そして、できれば彼らの話を聞いて、気持ちを理解してもらいたいです

そうすれば、認知症の方にも私達が共感してくれているんだと分かります

不安が和らぎ、私たちの話だって聞いてくれるかもしれません

やり方は簡単です。

普段、私たちが日常の会話でしていることを、そのまましてくれれば良いと思います

話を聞く、応じる、答える、分からなければ質問する、理解する、共感する、同情したり、笑いあったりする

それだけで、十分、相手に伝わるから大丈夫です

ポイント3.できることを一緒にやってみる

これは、認知症の方に限らないのですが、「介護が必要な人=何もできない人」と思い込んでいる場合が結構あります

例えば、足が不自由で車いす生活を余儀なくされている方に、

後ろから車いすを押してあげるような介助が必ずしも必要でしょうか?

家がバリアフリー化されていて、近所まで行くのに坂も段差もない

本人にやる気があって、十分体力もあり、車いすを漕いで移動できる

そんな人に対して必要なのは、できることを肩代わりすることではなく、

一緒にできることをしてみることではないでしょうか

例えば、車いすでもできるスポーツがありますね。テニスやバスケットボールが最近よく注目されています

どちらも、一人ではできないですから、一緒にテニスをしたり、バスケットをしたりしても楽しいでしょう

他にも、映画鑑賞や読書、絵画、テレビゲームやテーブルゲーム、他にもいろんなことが一緒にできます

認知症の方も同じで、できることとできないこと、やりたいこととやりたくないことがあります

例えば、高齢者レクリエーションの定番のラジオ体操、歌などですが

体操は結構、楽しんで取り組んでくれることが多いです(もちろん、嫌いだったり興味を持てない方もいます)

歌を歌うにしても、自分の時代の、歌謡曲や演歌は楽しく歌ってくれる場合もありますが、

童謡は「子ども扱いされている」と怒ってしまう方もいます

(私が知っている方には、なんとあの美空ひばりが大っ嫌いと公言して憚らない方もいました。超レアです)

要は、人それぞれなのですね

十人十色で性格も癖も考え方も違う人たちばかりですから、

そういう違いを楽しみながら、一緒にできることを探してみるのもまた楽しい

と、一介護職員としては思います

ポイント4.いろんな人を巻き込んで相談してみる

さて、ここまで結構楽しい感じに認知症の方との付き合いを書いてきましたが、

現実にはそう上手くいかない場合も多いです

むしろ、何かしらトラブルがあるのが普通でしょうね

徘徊、暴力行為、不眠、放尿や異食など

数え上げるのも大変です

さて、ここで質問です

皆さんは、何かトラブルを抱えて困ってしまったとき、まずどうしているでしょうか?

漠然とした質問ですね

もう少し例え話の力を借りましょう

例えば、家の近くで酔っ払いが暴れていると想像してください

皆さんはどうされますか?

玄関の鍵をかけて、じっと息をひそめる?

ーーーそうですね、そういう方法もあります

扉を開けて、うるさいぞ!と酔漢に怒鳴る?

ーーーちょっと危ないと思います、やめた方が良いでしょう

それとも、警察に電話して対応してもらうでしょうか?

ーーーたぶん、それが一番安全で賢いやり方でしょう

私も、3番目の方法を勧めます

認知症の方に関わるときも同じです

誰かに相談したり、助言を求めたりした方が良いでしょう

もし、自分の家族が認知症になっている場合は、

一番はご家族に相談、

その次はご自宅の校区内にある包括支援センターか、

ケアマネジャーが決まっている場合はケアマネジャーに相談するのが妥当です

なんといっても、ケア(介助)のマネージャーですからね

頼りにして良いと思います

そして、最終手段は医師ですね

大抵の場合は、かかりつけ医に相談することになると思います

とにかく、自分だけで抱え込まないことが大事です

逆に、自分の家族ではないけれど、認知症の方のトラブルに巻き込まれた場合は、警察に連絡して良いと思います

もし、事前にご家族の方から協力要請や、連絡先を教えてもらっている場合はそちらを優先した方が良いでしょう

昔は、家族の面倒は家族で看るのが普通でした

今でも、親、祖父母の面倒は自分で看たいと考えている方が多いです

しかし、そういう方が

体力が続かなくなったり、

介護のために仕事や生活を犠牲にしてしまったり

と、共倒れになってしまうケースも多いのです

近年のニュースでも、介護疲れの末に凶行に走ってしまったケースが報道されることがあるので、

ご存じの方も多いと思います

最初に書いたように、現代は社会全体で福祉を担う時代になってきています

介護保険法や老人福祉法など、法整備も進んでいます

巻き込めるものは遠慮なく巻き込んで力を貸してもらった方が良いです

そのために、私達介護士がいるのですから

私たちの仕事には、利用者の生活を守ること、ひいてはそのご家族を守ることも含まれている、そう思っています

まとめ

どうでしょう

参考になったでしょうか?

今まで挙げてきた認知症の方とコミュニケーションする4つのポイントをまとめると

1.認知症の方の言動を否定せず、言動は言動として受け入れること、受け入れてどうするのがベストか考えること

2.会話を通じて共感することで、不安を和らげること

3.「してあげる」のではなく「いっしょにできる」ことを探す

4.一人で抱え込まずに、誰にでも相談して社会全体で問題を解決する



こんなかんじになります

4番目については、コミュニケーションの前提として安定した生活が必要だよ、という感じでひとつ(汗)

ここまで読んで つまり、普通に接すれば良いんだよね? と思ったそこの貴方は大正解です

逃げ先、助けを求める先さえ分かっていれば、特に変わったことをしなくても十分なのです

あとは、自分の中の認知症に対する偏見を、色眼鏡を取り除いて、目の前にいる一人の人間を見るだけで良い

難しく考える必要はありません

ただ、それを伝えるために、こんなに言葉を書く必要があっただけで、

本当に必要なのは、普通に接すれば良い、というだけの言葉でした